Construx Estimate

http://www.construx.com/Page.aspx?nid=68というfreeの見積ツールがある。
俺が尊敬してやまないSteve McConnellの会社であるConstruxが提供している。
これ、すごく強力なツールなのだが、使っているという話をとんと聞いたことがない。
日本語ページをググってみても12件しか出てこない。
ソフトウェア見積りを読んだ人は多いと思うのでこのツールのことを知っている人は多いと思うんだけど。


このツールのすごいところは規模(LOC,FP,class数、サブシステム数など)、システムの種類、開発言語を入れるだけで工数、期間を出してくれること。
ただ、これだけの情報だと見積品質としては5段階中下から2番目なのだが。
また、LOCがある程度(15000ぐらいのようだ)ないと全くあてにならない。
それでも俺が以前にやった数十万LOCのシステムで、上記情報を入れてみたところほぼ実績通りの結果が出た。
より正確な見積を出すにはもっと様々な情報を入力する必要があるが、取り急ぎ見積を出さなければならない場合は有効だ。
「じゃあ規模はどうやって求めるの?」となるわけだが、これは・・・やっぱり勘?
ただ、うちの会社の場合、新規案件というのはあまりなく、既設システムのリプレースやシステム改造(派生開発)が多いので、LOCであれば何とか出すことができる。


また、このツールは過去の実績をベースにして見積をすることもできる。
様々な情報を入力するより、過去の実績ベースの方が見積精度は高いだろう。
過去の実績は規模、工数、期間を入れておく。
実績数が多いほど精度は上がるだろうが、McConnellの本によればとりあえず数件でもいいようだ。
また、ベースとなる実績を選択することもできる。
見積対象のプロジェクトに似通ったプロジェクトの実績を選択して見積もれるというわけだ。
もちろん全ての実績を選択することもできる。


実際に今やっているプロジェクトを見積もる際に、俺が過去にやったプロジェクト実績をベースにして見積を出した。
俺の実績がベースとなっているわけだからこれ以上ない精度だろう。
他メンバーからも全く反論がなかった。
更にこのツールはトータルの工数、期間だけでなく設計以降の各作業毎(構造設計、詳細設計、実装、テストなど)の期間も出してくれる。
今やっているプロジェクトは当初、客先から非常にきついスケジュールを要求されていたのだが、過去の実績をベースにして見積もったことと、各作業毎の期間を明確に出したことで、どんぶり勘定ではないことを理解してもらい、納期の延長を認めてもらった。


何で活用されないのか不思議でならない。英語版しかないからか?