ルポ資源大陸アフリカ―暴力が結ぶ貧困と繁栄

ルポ資源大陸アフリカ―暴力が結ぶ貧困と繁栄

ルポ資源大陸アフリカ―暴力が結ぶ貧困と繁栄

アフリカは内戦、虐殺、治安、汚職などなど俺にとって非常に印象が悪い地域。俺個人が直接関わることは全くといっていいほどないが、10年以上前に旅行でエジプトに行ったことがある。その時はそれほど治安は悪くないと思ったが、俺が行った数年後に俺も訪れた観光スポットでテロがあり日本人が10名も殺されている。
来年は南アフリカでワールドカップが開かれることもあり、きっと南アフリカの治安の悪さが話題にのぼることだろう。
で、この本は毎日新聞ヨハネスブルク特派員だった人が赴任当時にアフリカの暴力の現場に飛ぶことによって書かれたルポ。
この著者の行動力、アフリカの現状を伝えようという使命感に圧倒される。現場に行くことでしか書くことのできない迫真のルポ。いやはやすごい人がいるものだ。
赴任中は24カ国に出張したそうだが、本書では南アフリカ、ナイジェリア、コンゴ民主共和国スーダンソマリアの5カ国でのルポが掲載されている。ソマリアにまで行ったんかい、この人。スーダンでは密入国までしてるし。


特にひどい国々を取り上げているせいもあるが、国民のことをまるで考えていない政府、そして結局犠牲になるのは貧困層の人達という実態に何ともいえない憤りを感じる。
そしてその一端に実は我々も間接的ながら関わっている。でも何もできない。今はただただ日本に生まれたことを感謝するしかない。
確かに最近の日本は暗い話ばかりだが命までは持っていかれない。しかし、本書に出てきた国の人達は命の危険にさらされながら生きている。
こういった現実がリアルタイムで存在しているということを知っておくのもいいと思う。